消費税

◇ 簡易課税制度のみなし仕入率の見直し(経過措置) 担当:清水

 

簡易課税制度とは

その課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下で簡易課税制度の

適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、

課税売上高から仕入控除税額の計算を行なうことができる制度です。

 

簡易課税制度の適用要件

① 課税事業者であること

① 個人:前々年の売上高が5,000万円以下

   法人:前々事業年度の売上高が5,000万円以下

② 簡易課税制度選択届出書の提出

     届出書の効力は提出日の属する課税期間の翌課税期間から生じる

 ※ 簡易課税をやめる時は簡易課税制度選択不適用届出書の提出が必要

   ただし、簡易課税の効力発生日の属する課税期間の初日から2年を経過  

  する日の属する課税期間の初日以後でなければ提出できない

 

この制度は、事業者が預かった消費税(仕入控除税額)を消費者から預かった消費税

(課税売上高に対する税額)の一定割合とするというものです。

課税売上高 × みなし仕入率 = 控除対象仕入税額

 

この一定割合をみなし仕入率といい、売上高を5つの区分に分け、それぞれの区分ごとの

みなし仕入率を適用します。

みなし仕入率

第一種事業(卸売業)        90%

第二種事業(小売業)        80%

第三種事業(製造業等)         70%

第四種事業(その他の事業)   60%

第五種事業(サービス業等)   50%

 

平成26年3月に消費税法施行令等が一部改正になりました。

特に大きく変更されたのが、第四種と第五種のみなし仕入率の変更です。

金融業及び保険業は第四種でみなし仕入率が60%でした。

今回の改正により第五種になり50%に引き下げられました。

不動産業が改正前は第五種でした。

新しく新設された第六種となり、みなし仕入率が50%のところ40%になり同じく10%下がりました。

金融業及び保険業、不動産業は実質増税された形となったのです。 

 

この為、簡易課税制度の経過措置として平成26年9月30日までに簡易課税制度選択届出書を

提出すれば、改正前のみなし仕入率により計算ができます。

免税事業者でも簡易課税の届出は提出することができます。

 

具体的な例を取ってみましょう。 

不動産業 3月決算法人 

〇免税事業者の場合

①の期間が免税。

②の期間で期首にテナント物件を購入します。

家賃収入が月額140万円弱、管理売上が月額35万円の課税売上があります。

②が④の期間の基準期間となるため、課税売上高が1,000万円を超えるため、課税事業者になります。

②の簡易課税の経過措置の適用される9月30日までに簡易課税の届出を出した場合と期末までに提出した場合

④の期間に発生する消費税額が第五種と第六種では16万円ほど税額が違ってきます。

 

ただし、簡易課税の届出を出す場合、必ず優位なケースであるかを確認して出す必要があります。

提出後2年間、簡易課税をやめることができないため、この期間に、大きな金額の仕入や資産を

購入する予定のある方は注意が必要です。

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